第31回交通工学研究発表会における発表「スマートフォンの加速度センサを用いた路面段差検出手法と東北地方太平洋沖地震における適用」が研究奨励賞を受賞しました。
~~~論文概要~~~
地震などの広域災害時に被災地とその周辺において、道路状況を即座に把握、共有することは迅速な復旧復興活動にとって重要である。路面段差はそのような情報のひとつである。しかしこれまで路面段差の検出には、人手と手間のかかる目視による確認、またはプロフィルメータなど特別な機器を使用し行われてきた。
迅速な観測を可能とするためGPSと加速度センサが搭載されたスマートフォンを自動車のダッシュボード上に置き、通常通り走行するという路面段差観測手法を開発した。基本原理は上下加速度を二重積分し上下変位量を求めるものだが、これまでは段差以外に起因する加速度成分の除去ができず段差を見分けられない、計算結果が発散するなどの問題があった。本研究ではこれらの課題を解決する方法を報告した。加えて2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震後に同手法を用いて観測した東北地方の路面段差分布状況について報告した。