2011.09.21 交通工学研究発表会(研究奨励賞)
スマートフォンの加速度センサを用いた路面段差検出手法と東北地方太平洋沖地震における適用
地震などの広域災害時に被災地とその周辺において、道路状況を即座に把握、共有することは迅速な復旧復興活動にとって重要である。路面段差はそのような情報のひとつである。しかしこれまで路面段差の検出には、人手と手間のかかる目視による確認、またはプロフィルメータなどの特別な機器を使用した路面の寸法形状測定が行われてきた。本稿では、福原らの手法1)をより簡便にし、GPS と加速度センサが搭載されたスマートフォンを自動車のダッシュボード上に置き、通常通り走行するだけで路面段差が観測できる手法について報告する。はじめに従来から提案してきた手法について述べる。次に2011 年3 月11 日に発生した東北地方太平洋沖地震における路面段差調査の過程でみつかった同手法の問題点と、その改良手法について述べる。最後に改良手法による東北地方太平洋沖地震後の東北地方の路面段差分布状況について報告する。